海神の拝所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島6)

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Aさんとの行動3日目、

午前中はいろいろなお話を伺った。

特にマチリという行事について詳しくお伺いした、、

旧暦10月の最初に巡ってくる庚申の日から25日間にわたって行われる行事であるとのこと。

庚申の日と言えばいわゆる庚申待ち

”人間の体内には三尸(さんし)という3匹の虫が住んでいて、庚申の夜に人が眠ると体内から抜け出して天帝にその人の罪悪を告げ口し寿命を縮める、そのため夜通し寝ないで過ごす。”

という中国発祥の庚申信仰を思い出す。

しかし話を聞いていると私が知っていた庚申信仰とは違った行事のようだ。

マチリの期間25日の内、主に5日は、それぞれの集落で決められた家が祭祀を行い、それぞれ①外敵退散②家畜の繁栄③子孫繁栄④五穀豊穣⑤航海安全を祈る行事であるということだ。

Aさんによるとこれらの行事は行政の補助などは受けずに自発的に行っているものであり、与那国島の繁栄を祈るとともに国の繁栄をも祈っているのだとのこと。

しかしマチリの祭祀を行う家の中には島外に子供たちが出て行ったりしたことで継続が困難になっているところもあるという。一部は集落の公民館が代わりを務める形で補っているという。

後日マチリの整理をしていると興味深い五行や10干12支との関係も見えてきた、、、

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マチリの10干12支関係

マチリは最高の神事でありマチリを見ないと、、とAさんは言った、、、

えっーマチリの時に来いということか?

 

昼過ぎから動き始めた。

まずは以前夜間に訪ねたカミヤ地区

カメの甲羅を探しに行く。

遠くに亀の甲羅が見えてきた。

さらに近づくと、、

海岸の岩肌に亀の甲羅のかたちをした岩がめり込んでいるようにも見える。

甲羅の上部に海神(わたつみ)の神をまつっているとのこと。

元々は雄と雌の二匹の亀が祭られていたが、いつの時か雄の亀が転がり落ちてしまったとのこと、、

元々オスの亀がはまっていた場所↓

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オスカメが元々あった場所

そして転がり落ちた雄の亀

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転がり落ちた雄カメ

是非二匹そろっているところを見てみたかったものだ、、

メス亀にさらに近づいてみると、、

Aさんによるとこの岩は人工的にここにはめられていて周りをセメント状のもので取り囲んでいるとのこと。岩にロープをかけたような溝もあるという。

言われてみれば確かに溝みたいなのが岩の側面を走っているのが見える。

周辺には岩を割るためについたのか、矢穴のようなものがある岩も複数あった。

「わだつみ」という語彙はいつから与那国で使われるようになったのであろう。

この場所が海神(わだつみ)をまつっていると聞いて正にさもありなんと思う気持ちと明らかに「わだつみ」という与那国の言葉ではない語彙のギャップに若干の違和感も覚えた。

Aさんは与那国の言葉に疎い私のために言い換えて表現をしてくれているのかもしれない。

海の神を拝する場所としてこれほどぴったりの場所は他にはないように感じた。

 

 

南嶋奇譚・・ガイドブックに載っていない与那国島編

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