与那国島2日目は結果として島内の観光地巡りとなった。
朝、宿でミミシに行ってみたいことを相談すると、
一言『あんなとこ行けないんじゃない。』、、、、なかなかシビアなお言葉、、
うーん、宿のベッドで昨日の疲れからかゴロゴロしながら考えていたが何も策がない、、
ガイドブックに載っている主要観光地を巡ることにした。
11時ころ宿を出てまずは祖納集落から近い観光地ティンダバナに行ってみることにした。
ティンダバナに通じる道をどんどん登っていった、、?
いつの間にか入り口を通り過ぎていたみたいで、しばらく行くと左に入る道路わきに船が見えてきた。

崎元酒造所の案内船
花酒の酒造所!
これは行ってみるしかない。

崎元酒造所入口
入口に入ると奥に工場が見えた。
花酒は与那国島のアルコール度数60度の泡盛。酒税法上の特例で認められている高アルコール酒。通常の泡盛は45度までだが、この花酒は60度もあるにもかかわらず原料アルコールでもスピリッツでもなく泡盛と表示することが認められている。3つの酒蔵があるが現在稼働しているのはこの『与那国』を作る合名会社崎元酒造所と、『どなん』を作る(株)どなん酒造(旧国泉泡盛合名会社)の2社。『舞富名』を作る入波平酒造(株)は、現在稼働していないようだ。
酒造所の紹介ビデオを見て、ミニボトルを一つ買った。売店に展示されているボトルの数々に後ろ髪をひかれつつも酒造所を後にした。
道を戻りティンダバナへ向かう。

祖納港から見たティンダバナ
崖の周辺に回廊のように道が続いている。伝説の女酋長サンアイ・イソバにまつわる伝説の残る場所である。
- ティンダバナ
- ティンダバナの水場
イヌガンという島に漂着した女性と犬の微妙な伝説の残る場所でもある。
- ティンダバナ
- ティンダバナ(ティンダハナタ)
ティンダバナから見る祖納集落とナンタ浜は素晴らしい。

ティンダバナから見た祖納集落
強いて言えば岩陰祭祀と見張り台、行かなかったが台地の上の島仲集落跡と祖納集落の堺をなす場所であるように感じた。
比川集落へ移動した。
ドラマ『Dr.コトー診療所』のロケ地診療所建物の近くにアンダ玉水御川神という場所があった。

アンダ玉水御川神
ここは後で知ったが、アラミディという祭事の時に水をくむ場所の一つのようだ。アラミディは新しい水という意味だろうか?
その後比川集落内でそばを食べて、海岸沿いを東崎方面に進み、立神岩、サンニヌ台と与那国島定番の観光地をめぐる。
- 立神岩
- サンニヌ台
立神は奄美諸島をはじめ各地に似たような岩がある。淡路島(沼島)の上立神岩(かみたてがみいわ)をはじめ神話と結びついた磐座一つのカテゴリーかもしれない。
サンニヌ台は軍艦のような外形から特徴的な岩、海岸沿いの道は立ち入りができないようになっていた。
サンニヌ台からそのまま道を進むと、コンクリートの溝が道路上に見えてきた。
これがテキサスゲートか、、

テキサスゲート
与那国馬の移動を限定するためのゲート代わりの溝、馬はこの溝をうまく通れない、?
おやじギャグみたいになってしまった、、、
このゲートをゆっくりと車を進める、ガタガタと振動が伝わる、、ここから先は与那国馬の生息地。
東崎に向かうと展望台と灯台が見えた。
馬たちは展望台の下に集まっている。
この暑さはさすがに与那国馬にもこたえるのか、、日陰に集まっている、、とにかく暑い、、、

東崎展望台の下で暑さをしのぐ与那国馬
今度は北側の道を西に向かった。途中にダテクチディという見張り番がいた場所があった。
- グテイクチデイ(ダテクチディ)の碑
- ダテクチディ
テキサスゲートを超え、馬のいない祖納集落にもどった。
そのまま祖納集落を通り抜け今度はどなん酒造に向かう。
ここでも入り口を入ると奥に工場が見えた。
- どなん酒造入口
- グッズ売り場
- 60度のススメ
中に入ると「60度のススメ」という張り紙が、、
いきなり一行目に『水で割らずにストレートで飲みましょう。』と書いている、、!
せめてロックで飲むのは許してと言葉が出かかったが、いやいや作り主がそういうならストレート一択なのである、きっと間違いない。
おみやげ物のTシャツに後ろ髪をひかれつつ工場を後にした。
なぜ酒造所でばかり後ろ髪を引かれるのか、、きっと工場の雰囲気が良いからであって決してアルコールにひかれているのではない、、きっと、、、
そのまま比川集落へ向かおうとするが、道がよくわからず気が付いたらまたサンニヌ台の辺りに来ていた。そこから比川集落へ島の南側の道路を西に向かう。
比川集落を通りぬけ久部良集落方面に抜けるときに海側の道を選ぶ。テキサスゲートの手前にカタブルという名前の浜があった。
車を降りてみる。
人気がないビーチ、、なぜかひかれるが、砂浜まで降りるのが何か怖いようなそんな気がした。
車を進めて海沿いの道を走るこの近くには自衛隊の基地もあるようだ。
進んでいくと道の前面に与那国馬の集団が見えた。そして一台の車が通り抜けるのをあきらめたのかUターンしようとしている。どうしたものか、、、

久部良側テキサスゲート前に集まる与那国馬
しばらく見ていると道の右側が少し馬密度が低い、、
そろそろと車を道の右側に寄せていく、、しかし車がとおれるほどのスペースはない。
そっと道をあけて通らせてほしいと馬たちに念を送る??
するとゆっくり道路の右側にスペースが広がった!
これは馬たちと意思疎通ができたか、、ついに特殊能力に目覚めたか、、、
馬たちにしてみれば「なんかかわいそうだから通してあげれば、」という程度のことなのかもしれないが、とにかく無事通り抜けることができたのである。テキサスゲートを通り過ぎ振り返ると、、

与那国馬とテキサスゲート
もとのように車が通ったスペースはふさがれてた、、とにかくよかった、、、
久部良集落の久部良簡易郵便局前に車を止め久部良御嶽や日本最西端の商店で飲み物を買ったりした。
- 久部良御嶽
- 日本最西端の商店
- 久部良簡易郵便局
ここから祖納に戻る途中、花酒『舞富名』を作る入波平酒造(株)の工場を見ようと住所地に向かうが、現在稼働していないため工場敷地に入ることは遠慮した。
与那国島の3酒造所コンプリートしたものとしておこう。
祖納集落では与那国町伝統工芸館を見学した。おそらく昔は、女性の納税物(貢納布)であったであろう織物を見た。税としてのある程度の品質がない織物は受け付けてもらえなかったとの話も聞いた。緻密な作業にはやはり向き不向きもあるであろう。美しく繊細な織物の模様を見ながら適所適材がかなえられないそんな社会を思い浮かべた。
やはり南の楽土であるはいどぅなん島(南与那国島)に思いをはせること、そして泡盛は人々にとって必要であったのかもしれない。
- 与那国町 伝統工芸館
- 与那国町 伝統工芸館
振り返ると今日も過活動な一日となった、、
気づくともうすでに夕暮れ時となっていた、、
60度の花酒で一日をしめるか。
もちろんストレートで、、

祖納集落で見た夕日
近日連載スタート・・南嶋奇譚 ガイドブックに載っていない与那国島
久部良岳にやってきた(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島2)
久部良から祖納へ(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島3)

















