- 近日連載スタート・・南嶋奇譚 ガイドブックに載っていない与那国島
- はじまり(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島1)
- 久部良岳にやってきた(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島2)
- 久部良から祖納へ(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島3)
- 祖納探索(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島4)
- 島内ぐるぐる(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島5)
- 旅の終わりに(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島6)
- 再び与那国へ(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島1)
- 畳ビーチ4選(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島2)
- ヘビ岩・顔石・磐座・亀石そしてパパイヤ(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島3)
- 西のハトからミミシへ(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島4)
- 女神の拝所・海底遺跡の拝所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島5)
- 海神の拝所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島6)
- 大切な場所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島7)
- ハトと亀(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島8)
- ハトの脚?(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島番外編)
- アラガ香炉とハイドゥナン(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島番外編2)
- マチリを訪ねて(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編1)
- 異国・大国クブラのマチリ(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編2)
- 久部良マチリの合間に(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編3)
- マチリ2日目ウラマチリ(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編4)
- 島仲・比川・祖納御嶽トゥニ巡り(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編5)
- ハトの左翼(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編6)
- スー・ミキ(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編7)
スーやミキと言ってもキャンディーズのメンバーではない、、
スーはマチリに欠かせない料理品の一つ、、
グンナ(長命草)を主材料としたお浸しのようなもの。落花生の砕いたものを混ぜて作られる。
一方のミキ(神酒)は白色の酒である、、
グンナを水洗いした後、外に設置したガスコンロでゆがいていく、、このグンナは想像以上に生命力が強くなかなかしなっとならない、、
採取して2日ほどたっているが、葉っぱは元気がよい。鍋の葉っぱを棒でかき混ぜながら楽しくも苦行のようなそして貴重な時が流れる、、自分が与那国島にいる実感が沸き上がってくる、、
1時間ほど鍋を加熱しながら搔きまわしているとさすがに葉はしんなりとしてくる。
鍋から取り出し、冷やしながら葉っぱを茎の方と葉の先の方をそろえながら10枚ほど重ねる。

きざんだグンナの一部
重ねた葉っぱを握りずしのように丸める、その葉っぱを丸めた塊を千切りより少し幅を持たせて刻んでいく。
3回ほど鍋で煮込むと大量のスーの材料ができる、、
グンナとの格闘は夕刻まで続いた、、
夜になってもまだ親戚一同本家に集まって準備を続けている、、
女性たちがミキづくりを始めた、、
女性二人が作っている様子を少し見せていただいた、
二人は一人がYさんの姉(4女)、もう一人がYさんのもう一人の姉(3女)の息子の嫁、、
つまりYさんの姉(4女・生まれたのはK家・祖納の家に嫁いでいる)から見ると、もうひとりは甥っ子の嫁(祖納の他家から嫁いできている)、、
Yさんのもう一人の姉(生まれはK家)の息子(もう一人の姉の嫁ぎ先(比川集落)の家長)の嫁(祖納の他家から嫁いできている)から見ると、夫の母の妹(生まれはK家)となる。
簡単に言うと義理の叔母と義理の姪ということになる、、
この二人がもち米と水を混ぜてミキサーにかけ、ミキのもとになるコメのどろどろの溶液をつくる。昔は女性が口に含み米をかみ砕いて作っていたという、、

姪:叔母さんに向かって『唾を混ぜたらだめよ。』
姪:『少し黒糖を混ぜると甘みが増しておいしくなる。』
叔母:姪に向かって『あんたそれはD家の作り方やろっ!』
叔母さんは比川で生まれK家に育ち、結婚して祖納のN家に嫁いでいる。そして姪は祖納で生まれ比川のK家に近しい家に嫁いできている、、
そんな二人が、一方はK家の伝統的な作り方を主張し、一方が別の家の流儀をほのめかす、、
伝統が影響を受けたり弾いたりしながらスリリングに存続する一瞬を見た気がした。
これこそマチリが生きていることの一面ではないか?
例えば千年前と変わらぬ作法を存続する儀式があったとして、そのことは果たしてよいことなのか?そして変わりがないということをどう示すことができるのか?
昔ある南方のお坊さんに『死ぬことは動かなくなること。』という話を聞いたことがある。
逆に生きていれば動く、動くことは変化を巻き起こす、”to live is to move.”なのである、、

ミキ作りも一段落し、本家の祭壇の前で一族が集まり時々お客さんも顔を出したりマチリの当日に向けて準備が整っていく。
沖縄本島や石垣に散らばっている子供や孫たちも明日には集まるという。
泡盛のどなんを飲みながらお話をしていると、古い写真を見せてくれた。
古い時代の木造で茅葺と思われる屋根のK家本家の様子や、昭和のころと思われるK家のトゥニの写真などもあった。トゥニの写真を見てあることに気が付いた。聞いてみると家の周辺の壁の工事をしたときに少し動かしているとのことであった。
昔のトゥニの様子

昔のK家のトゥニの様子
最近のトゥニの様子

最近のK家のトゥニの様子
明らかにトゥニを構成する岩の配置などが変わっている。
正にこれが島が生きていることの証明なのだ。
『人が変わっても島は変わらない。』Aさんは以前そのように言ったことがある。
人は変わる、マチリも変わる、その儀式やトゥニさえも変わっていく、、そしてそれらの営みを見守る島ももしかしたら成長しているのかもしれない。
何しろ与那国島は、海から出てきた土根(どぅに)が育ってできた島である。島が成長をしないわけはない、、、、
今回の旅ではそんな営みに少しではあるが触れ発見に満ちた時を過ごしている、、

夜の比川集落に比川地域共同売店の建物が明るく浮かんでいた、

夜の比川地域共同売店
スーとミキ、、キャンディーズのもう一人のメンバーはランだったかな、
キャンディーズのラストシングル『微笑みがえし』の歌詞は、過去のヒット曲の伏線回収?本歌取り?みたいになってて構成の妙を感じたことがる、、




