- 近日連載スタート・・南嶋奇譚 ガイドブックに載っていない与那国島
- はじまり(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島1)
- 久部良岳にやってきた(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島2)
- 久部良から祖納へ(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島3)
- 祖納探索(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島4)
- 島内ぐるぐる(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島5)
- 旅の終わりに(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島6)
- 再び与那国へ(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島1)
- 畳ビーチ4選(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島2)
- ヘビ岩・顔石・磐座・亀石そしてパパイヤ(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島3)
- 西のハトからミミシへ(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島4)
- 女神の拝所・海底遺跡の拝所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島5)
- 海神の拝所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島6)
- 大切な場所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島7)
- ハトと亀(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島8)
- ハトの脚?(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島番外編)
- アラガ香炉とハイドゥナン(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島番外編2)
- マチリを訪ねて(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編1)
- 異国・大国クブラのマチリ(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編2)
- 久部良マチリの合間に(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編3)
- マチリ2日目ウラマチリ(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編4)
- 島仲・比川・祖納御嶽トゥニ巡り(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編5)
- ハトの左翼(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編6)
- スー・ミキ(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編7)
- マチリの神器(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編8)
- 産土(うぶすな)のまつり(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編9)
- 雑談あれこれ(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編10)
- ンディマチリは比川のマチリ(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編11)
K家本家の建物の西側にあるトゥニで儀式が始まる、、

食事を供え線香に火をつけ祈りが始まる。
掛かけまくも畏かしこきで始まるような定型文の祝詞ではなく、その場で口をついて出てくる言葉を唱えているように聞こえた、もちろん与那国の言葉で唱えられているので部分的にしか意味は分からなかった。
次に井戸に移る、、

井戸で祈りをささげるときは線香には火をつけない、、

井戸の祈りの最後に、半紙に線香が置かれミキ(神酒)がかけられスー(グンナのお浸し)が置かれる、、
屋敷の中でも儀式は続く、、
K家本家は一番東に台所があり、ご先祖の位牌を置いた棚が2つある。
台所に近い方、すなわち東寄りの位牌棚は比較的最近亡くなった方の場所、次が死後33年をへたご先祖の位牌が祀られる。そして一番西側は床の間のような作りで神の座となる。

K家本家概略図
一番西の神の座の前に神器が飾られ、食事も並べられる。

ひとしきり儀式が終わると当主による挨拶があり、一族・来賓を含めた食事が始まる。

ミキ(神酒)とスー(グンナのお浸し)の他、刺身や汁物、饅頭などがのった膳をみんなでいただく。
K家の方が参加者に舟形の神器の杯でお酒を注いで回る。

舟形の杯を回す
私もいただいた、ちょっと紹興酒のような味のミキとはまた違った味のするお酒であった。
これで海神のご加護にあずかれるかもしれない、、、
昔はこの盃の儀式は7周まわっていたという、、
さすがに今では一周のみ行われる。
神の座にはチンムリという食物で作られたお飾りが供えられている。各マチリでは欠かせないお飾りで、かまぼこやようかん等々で美しく重ねられる。K家では主に野菜を整えて作られていた、、

K家のチンムリ
アンテナみたいに立てられた木の枝が依り代なのか、、
K家の祭祀は、建物の西にある野外のトゥニを経由して、神に建物の中の神の座に降りてきてもらう仕掛けになっている。台所のある東に近づけば近づくほど、今生きている人間の場に寄っていくことになる。
太鼓に合わせて姉妹が踊り始める、、
和やかな時が流れる、、、
神を宿した女性が踊りながら御稜威(みいつ)を建物の中に広げていく、、
昔であれば屋外で神がかった一族の女性が神器を佩びて舞ったのかもしれない、、
神器の一つである太鼓を4女が打ち鳴らすと、普段は歩くのもしんどそうな3女が急にしゃきっとして踊り出す、弓矢をもって踊り出す、動きは交差運動ではなく同側運動が目立つ動きとなっている、、、
最後は歌に合わせて神の座のチンムリなど捧げものを一族の方たちが一列になって降ろしていく。

一連の儀式が終わった、、
直会の時間がはじまる、、皆さんやり切った安心感なのかいつもより笑顔が多いように感じる。
祖納から来た役所勤めの客人が『与那国島は何にもないと言われると腹が立つのよ!何にもないのではなく生活するために必要なものは何でもある島なのよ!』と思いを語っていた。
その隣で、親族の方が仮想通貨をインセンティブとしたスマートトイレをインドで展開する計画の話をしていた。
21世紀ならではのマチリの一風景である、、
やはりこの曲か、、?


