- 近日連載スタート・・南嶋奇譚 ガイドブックに載っていない与那国島
- はじまり(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島1)
- 久部良岳にやってきた(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島2)
- 久部良から祖納へ(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島3)
- 祖納探索(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島4)
- 島内ぐるぐる(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島5)
- 旅の終わりに(南嶋奇譚・ガイドブックに載っていない与那国島6)
- 再び与那国へ(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島1)
- 畳ビーチ4選(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島2)
- ヘビ岩・顔石・磐座・亀石そしてパパイヤ(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島3)
- 西のハトからミミシへ(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島4)
- 女神の拝所・海底遺跡の拝所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島5)
- 海神の拝所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島6)
- 大切な場所(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島7)
- ハトと亀(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島8)
- ハトの脚?(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島番外編)
- アラガ香炉とハイドゥナン(南嶋奇譚Ⅱ・ガイドブックに載っていない与那国島番外編2)
- マチリを訪ねて(南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編1)
南嶋奇譚Ⅲ・与那国島マチリ編は、与那国島でマチリといわれる例年の行事が行われる25日間に少し重なる時期に島を訪ねた記録になる。
島を訪ねた時は、まだマチリの始まる少し前であった。

マチリ日程表
Aさんに紹介を受け比川集落のK家にお世話になり準備の段階からマチリの様子を見せていただくことができた。
比川集落のマチリは、マチリの行事の中で子孫繁栄を祈る役割を負っている。
大きく5つある集落の行事はそれぞれに役割があり、儀式を伝える旧家や公民館がそれぞれ主体となり行事を進めている。K家もそんな儀式を伝える旧家の一つである。公民館はかつて旧家が行っていた儀式の内、その旧家ではマチリの儀式を維持できなくなったところを補っているよようだ。特定の誰かが全体を仕切っている様子は見えなかった。いわれなくても当然のように祈りの行事をとり行っているように感じた。比川集落のマチリも一定の重要なマチリの部分であると同時にかなり中心的な役割を果たしているのではないかと感じた。このことはマチリの構造を見ているうちに気づいた。
比川集落は、子孫繁栄の場であり島の胎にあたる場所ではないかと思った。

マチリの10干12支関係
島に到着してK家の本家を訪ねる。
本家には誰かが住んでいるわけではなく、祭壇と台所がある建物であり、家の外にはトゥニと呼ばれる神の座がある。マチリの儀式の中心となる場所である。

K家の本家の中の祭壇
本家では御当主のYさんの他数名の方が、庭の木の枝を刈り、草抜きなどをしていた。
挨拶も早々に刈った木の枝を本家の入り口に停めた軽トラの荷台に積む作業を手伝う。落ち葉のかき集めなども行い祈りの場をきれいの整えていく。

K家の拝所の一つ
軽トラの荷台がいっぱいになったので、Yさんが枝を捨てに行くときに一緒に連れて行ってもらった。そこは少し高台のサトウキビなどを育てている畑であった。
- 農場の一角
- サトウキビ畑
Yさんは敷地の端の方にある木を指さし、あそこのシークァーサー食べても良いよといった。

シークァーサーの木
あの実はシークァーサーなのですか?
Yさんはうなずいた。
食べてみると思ったより甘く想像していたのとは随分違った味で驚いた。
本家に戻ると一族の方々が夕食を用意していた。

突然のよそ者を思いのほか温かく迎えていただき、安心すると同時にありがたく食事を共にした。
K家は現在Yさんを筆頭に、兄弟姉妹がそろって集まっていた。

本家に集まるK家の兄弟姉妹
子供のころに亡くなった御兄弟や成人後に亡くなった兄、そして体調を崩して島外の病院に入院している姉もいるという。今集まった兄弟は、姉2人とその弟2人である。当主のYさんは実は一番年下になる。おそらく二人の息子さんがいることで家を継いだのであろう。
マチリの準備は兄弟姉妹総がかりで準備が進む。姉妹はそれぞれ他家に嫁いでいるものの、マチリの時には当たり前のように実家の準備を手伝う。
ただしその子供たちは、集落の公民館の準備も手伝いながら母の実家のK家の準備も手伝っている。島外から来た人の中には、最初の内はこの集落の行事の準備に参加していたものの次第に遠ざかっていくものもいるという、、
泡盛のどなんをいただきながらいろいろな話を伺った、
ご家族のことなども伺った。
皆さん子供たちは石垣や沖縄本島、海外などで生活をしている。孫たちにも恵まれている。
一方で与那国島にマチリは、離ればなれのご家族が集まる機会でもあるという。
それぞれマチリに合わせて島に集まってくることを楽しみにしている。
宿は二人の姉妹の内上のお姉さんの経営する宿泊施設にお世話になることにした。
明日からもマチリの準備でお手伝いできる部分はお手伝いし、久部良集落のマチリや東公民館のウラマチリを見学し過去2回の訪問でまだ見ていない島の要所を周っていきたいと思う。
マチリの食事に欠かせないスの材料であるグンナも採りにいかなければならないとのこと、楽しみだ、、
明日は旧暦10月に入って最初の庚申(カニサル)の日、いよいよマチリが始まる。


