- ワボカボへ(ラスベガス編1)
- スフィアへ(ラスベガス編2)
- 三途の川もヴェネチアン(ラスベガス編3)
朝起きた時のホテルの窓から見る朝日は格別のものがあった。
都市部の建物の外周には、荒涼とした地面も見える。

朝食はコスモポリタンのEggslut でハンバーガーを食べた。
日中は街をうろうろしていた。
娘はニューヨーク・ニューヨーク・ホテルの「ビッグアップルコースター」に乗りたいということで現地に向かった。コースターの出入り口で待っていた。娘はしばらくして戻ってきた。ジェットコースターに一緒に乗り合わせた女性がちょうど今日が38歳の誕生日で、誕生日の回数だけ今日はジェットコースターに乗るつもりだという。今が8回目だとかなりテンションの高い状態で面白かったと笑っていた。さすがアメリカ人、面白いことをするね。
途中、ハードロックカフェでビールを飲んでいたら、エディー・ヴァンヘイレン(Edward Van Halen)のギターとデイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth)バンド期のスティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)のハート形の特徴のあるギターが同じ壁に飾られているのを見た。
分かる人にはよくわかるエモい演出である。
バンド、ヴァン・ヘイレンのボーカルが、初代のデイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth)から2代目のサミー・ヘイガー(Sammy Hagar)(=初日に行ったメキシコ料理店CABOWABOをつくった)に移った時に、デイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth)のソロバンドにスティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)が参加していた。バンドの確執なのか、ギターの名手エディーに対抗するためなのか、これまた超絶技巧のスティーヴ・ヴァイをギターに雇うデイヴィッド・リー・ロス。ヴァン・ヘイレンと出て行ったデイヴィッド・リー・ロスのプライドのぶつかり合いが思い出される素晴らしい??ギターの展示であった。
5150 (2023 Remaster) Van Halen
David Lee Roth – Just Like Paradise (Official Video) [HD]
このデイヴィッド・リー・ロスのバンドにはベースのビリー・シーン(Billy Sheehan)なども参加していたことがある。ギターもベースも超絶技巧な二人を集めたデイヴィッド・リー・ロスのこだわりやプライドの感じられるそんな時代である。語り出すときりがないのでこの辺にしておこう。

歩いていると工事中のハードロックカフェホテルのギター型の姿も見えた。
実は今日はベネチアンホテル内のベネチアンシアターで行われるSTYX(スティックス)のライブに行くことにしている。
STYXと言えば70年代から活躍する、アメリカンプログレハードロックと日本では呼ばれていた一群のバンドの一つだ。「Babe」や「The Best of Times」など名曲の数々がある。
Styx – The Best Of Times (Official Video)
80年代に入りバブル期の日本の余剰資金は、アメリカにも流れ込みリゾート開発から、不動産買収、企業買収などが進んだ。山手線内の土地の総額でアメリカ全土が買えるなどと言われていた時代があった。ソニーのコロンビアピクチャーズ買収、東芝のタイムワーナー買収、三菱商事のロックフェラーセンタービル買収など映画やニューヨークの中心にそびえたつ米国資本主義の象徴のようなビルを買ったことは、米国の文化や象徴を買われたとアメリカ人のプライドをも傷つけかねない様相を見せていた。現大統領のトランプも不動産業者として当時の日本のイメージを今でも持っているのかもしれない。
参考:『舞い降りた大統領(卯野秀和)』2025,アメージング出版
そんな日本のプレゼンスが高まったバブル期の始まる少し前、80年代の前半にSTYXは、アルバム『キルロイ・ワズ・ヒア(Kilroy Was Here)』を発表する。その中の「ミスター・ロボット (Mr. Roboto) 」と言う曲では、ロボットのつづりをあえて英語の標準の”Robot”とは表記せず、日本語よりの”Roboto”と表記していた。そして歌のサビの部分では日本語で「ドモ アリガト、ミスター・ロボット」と歌っていた。描かれる世界は東洋テイストのロボット?に支配された収容所の様子の映像をMVにで表現していた。ちなみに”Kilroy Was Here”は、第二次世界大戦中によく落書きされたミームである。
当時、STYXの「ミスター・ロボット (Mr. Roboto) 」のMVを見たときは、アメリカ人は日本のアメリカへの資本投入に圧を感じているのだなあとと思った。
Styx – Mr. Roboto (Official Video)
ともかくSTYXの名前をネットで見つけた時に、あのSTYXがラスベガスでやっているの?本当?という感じだった。コピーバンドかとも思った。STYXの綴りがSTYXsとかになっていないかとネットを慎重に見た。
STYXのライブがあったベネチアンシアターは、ベネチアンホテルにある。ベネチアンホテルは、イタリアのベネチアをテーマとした施設でホテルにはベネチア風のボートで移動できる水路が張り巡らされている。STYXもギリシア神話の冥界と現界を隔てる川で女神であると言われている。こっちでいえば三途の川みたいな、、ちなみにSTYXは、勝利の女神ニケのお母さんであるともいわれている。娘のニケは縁起が良いがSTYXは、少し怖いね、、
ベネチアンシアターの規模や格はよく分からなかったが、そんな大物バンドもやるのかと予定を見ていたらチープトリック(Cheap Trick)やフォリナー(Foreigner)の名前を見つけた。良いバンドがたくさんベネチアンシアターでライブをやってることがわかり少しホッとした。さすがにコピーバンドではなさそうだ。
娘はゼイン(Zayn Malik)のラスベガス公演最終日に昨日に引き続き参加するので別行動だ。
妻もさすがにSTYXは知っていたが「Babe」や「The Best of Times」などやわらかめの曲を中心に聴かせて予習を行った。
これで準備が整った。
会場に入ると昨日のイーグルスと同様、比較的年配の夫婦たちが集う会場であった。
席に座って待っているときにくしゃみをしたら隣のおばさんにbless youと言われてここはアメリカだと改めて思った。くしゃみをすることは神のご加護を願わないといけないような大事なことなのか?もしかするとくしゃみをした拍子に魂が抜けてどこかに飛んで行ってしまうのか?それってなんだか沖縄のくしゃみをすると魂(マブイ)が抜ける、そのため「クスケー」と言うと似ているなと思った。意外とどちらかが影響を及ぼしているのか?アメリカ世(ユ)(=アメリカ統治時代)にできた習俗なのか?たまたま似たような習俗なのか?気にはなるがさほどの興味もない、誰か調べていたら良いな。
さて本物のSTYXのライブが始まるとアメリカンハードロックバンドの面目躍如、グィングィンとハードな曲が続いていく。あまりプログレテイストは感じられなかった。ライブも終盤に差し掛かりようやく「The Best of Times」が演奏され、アンコール一曲目は「ミスター・ロボット (Mr. Roboto) 」で最後もハードな曲で盛り上げながらライブは終わった。平和で明るく楽しいライブは無事終わった。妻は「The Best of Times」みたいなきれいな優しい曲がほとんどかと思ったらハードな曲ばかりやったと正直な感想を語っていた。予習をしたかいがあった。
なんやかんやでラスベガスはぶらぶら歩きとライブで充実したものとなった。
フラミンゴホテルの近くには観覧車があり月がきれいであった。砂漠の中にフラミンゴホテルをつくりラスベガスの礎をつくったとされるバグジーに少し思いをはせてフラミンゴホテルを後にした。それにしてもバグジーについて描いた映画を見たことがあるが、あまり感情移入することや共感することは難しい人物であった。
最後の夜にスフィアーがよく見えるという歩道橋に行って夜景を眺めた。
Sphere Vista Point (Bridge)

ともかくも今回の旅では、イーグルスとSTYXという大御所のバンドのライブを見るという機会を得たこと、それも夫婦で一緒に見れたことが何よりもうれしかった。娘も想定以上の成果?ゼインとのコミュニケーションをとることができたこともよかった。
人々は祈る場所も作るし遊ぶ場所も作る、、
祈ることも遊ぶことも生の営みなのである。
ラスベガス編終わり









